多発性骨髄腫と家族

多発性骨髄腫の治療記録。 最近、治療の当本人である主人もブログを始めました。 こちら➡︎ https://ken-ken-ken.muragon.com

多発性骨髄腫について
治療、症状、患者家族として
残せるものを置いていきます。


2012年8月=主人37歳
多発性骨髄腫と診断
治療開始
2013年
治療→自家移植→
同種移植→寛解
2014年
寛解維持
2015年12月
再発
2016年1月
治療再開
2019年9月
永眠しました

介護福祉士
娘二人の母親してます。

初期:同種移植入⑧~説明書~

移植時投与薬
前処置エンドキサンに続き、次のお薬です。


~フルダラビン~
生理食塩水に溶解して投与します。
一般的に副作用に頻度が少ない薬剤です。投与日に軽い吐き気、嘔吐が生じることがあります。


~メルファラン~
生理食塩水に溶解して一時間かけて投与します。
①腎毒性
移植の際に使用する量は多いため、急性腎不全を起こす可能性があります。
十分な尿量を確保する必要があるため点滴・利尿剤を使い尿量確保に努めます。
②粘膜障害
粘膜障害が非常に強い薬剤です。口内炎、咽頭炎が生じ経口摂取が出来なくなったり、内服も難しくなります。移植を順調に進めるためには経口摂取としっかりと必要な内服を続ける事が重要ですので、重度の粘膜障害は予防することが必要です。
この薬剤は体内で速やかに分解されるため、投与前後に口腔内、咽頭部を氷で冷やすと粘膜の血流が寒冷により減少します。
すると粘膜の障害が減少するのではないかという報告(クライオセラピー)がありますので当院でも積極的に行っております。投与前後30-60分程度冷却をつづけるようにしています。
下痢については防止する方法はありませんので、点滴を行い体外へ早めに薬を排泄していきます。
③吐気、嘔吐
吐き気も強いため吐き気止めをしっかりと使っていきます。


※主人はこのクライオセラピーが酷く苦痛だったそうです。ここまでの治療の影響で知覚過敏が出ていたのが一番の原因です。知覚過敏は長く続きますが、治療をやめるとゆっくり治っていきます。※



【移植日】
★移植日の1,2日前に移植の開始時間の決定をします。
★移植当日は清潔の為、移植前にシャワー浴をします。
★移植開始30分前ほどより心電図モニター装着。アレルギー予防に抗ヒスタミン剤(ポララミン®)とステロイド(ソルコーテフ®)の点滴を行います。
★骨髄移植の場合、ドナーさんと患者さんの血液型が同じ場合はそのまま移植を行います。採取される骨髄の量はおおよそ600-1200mlですので、4-6時間ほどかけて輸血と同じ要領で投与していきます。
★血液型が異なる骨髄移植の場合はドナーさんの骨髄液の赤血球を除去したり、患者さんの赤血球に反応する抗体の存在する血漿成分を取り除いたりする必要があります。この処理には1-2時間ほど時間を要しますが投与する量は100ml以下と減少します。
★骨髄移植の場合は血縁者からの移植であれば院内で採取致しますので早ければ昼前、遅くとも午後の早い時間に移植が開始となります。骨髄バンクからの移植の場合は他県から届きますので夕方以降になることが多いです。
※主人は骨髄バンクからの移植でしたので、夕方過ぎに開始しました。※
★末梢血幹細胞を移植する場合の多くは100ml~200ml程度ですので、病棟で解凍を行い即座に点滴から投与します。30分から1時間程度で終了します。
★臍帯血を移植する場合は、末梢血と同様に病棟で臍帯血を溶かし、多くて50ml程度ですので注射器で臍帯血を注射していきます。15分程度で終了します。



説明書によるお薬や説明は、いったんここまでで。
次回は【免疫抑制剤】についてです。
このお薬は微量にも関わらず、とても大切なお薬です。
0.1g単位での減薬でしたし、このお薬が終わる=移植治療の大きな階段をのぼることになります。